本シリーズは初対面時に違和感を感じた相手について、振舞いや発言に基づいて自分が感じた違和感、その時の対応を振り返るシリーズです。同じ空間にいた他者(いれば)の反応も踏まえ客観的な記載を心がけます。人の振り見て我が振り直せ。心のノートには、私の感想や意見を書いています。遭遇するシーンは千差万別で状況に応じてどう振舞うのが良いのかは失敗を繰り返して学ぶものでもありますが、何かの参考になれば幸いです。
状況説明
ホームステイ先に来て2週間経ったとき、別の新たな方が2名来られ、初めてのディナーのシーン。2名ともフランス国外から来た方々。
違和感を感じた発言・行動
- こういう場で私しゃべりすぎちゃうんだよね
- フランス語にはTu(友人など親しい間柄につかう)とVous(関係が浅い敬意を払う間柄に使う)があるけれど、どっちを使われたい?
- 常に発言→Parce que(理由)の構文が高速で繰り返されるのだが、その理由が理由になっていない(論理性に欠ける)
- ホストマザーに少し違う意見をされると、より好戦的にさらにしゃべる
- 初めて会った他の人に、一緒に学校に行こうと迫る(相手は引いている)
- 朝食の時間も約束させる(さらに相手は引いている)
- 朝歩きながら立ち寄りたいことや買いたいコーヒーの種類など細かなこだわりを話す(相手は気が滅入りそうな顔)
- 仕事を辞めて大学院にいくことに繋がりが見えないと理解できないという反応をする(相手はビジネスパーソンではない)
- 宗教観や食に対する自分の信条を語る(こちらにどう思うか聞いてほしくない)
- 食べ方が雑、フォークのみを使い、ナイフは使わず、食べたデザートの食器にナプキンをぶちこむ(同じ国出身の同席者は初ディナーということもありテーブルマナーまではいかないまでもフォークとナイフで丁寧に食事を行う。サラダ、グラタン、フルーツポンチ的なデザート)
周囲の反応
- 皆発言しなくなる。結局8割以上はその人が話す、もはや独り言
- 同席者も初対面にもかかわらず、様々なことを迫られ無口に
- 同席者と当該者は同じ母国語を話すが、それすらも憚られる状況
- ホストマザーも何度も目を見開いてこちらに顔を向けてくる
心のノート
本件は、あまりに自身の常識や考えが正しい、あなたもそれを理解した方がいい、それをやった方がいいというタイプの方でした。自分が理解できないことは間違っているような。すくなくとも初対面でこのスタートでは私はもう顔も合わせたくありません。おそらく緊張しており、自分をなめられたくないと思ったのかもしれません。会話に笑顔がなく、心の余裕を感じられませんでした。
ヨーロッパに来てから様々なこだわりの強い方々に出会う頻度はNYにいた時よりも増えた気がします。しかし、ヨーロッパの方々は自分と他人の境界線をうまくコントロールして、自分の考えは言いつつも違いを認める余裕(もしくは表面的な処世術)をみにつけていて、議論で白黒つけようとするタイプの方はあまりいない印象でした。私のホームステイ先では、文化的に食事の後にお話しというかディスカッションというかそういった時間がありますので、何かについて話すことにはオープンですが、過去のホームステイに来ていた方々(ヨーロッパ系)との間で一方的な展開になることはここの所見たことがありません。
人との距離感をつかめない人というのは日本人・外国人関係なくおられます。天気の話から始めて、終始和やかなライトな話題で、皆が楽しい食事を時間を過ごせるように努めるという心構えを引き続き大事にしたいと思います。いくつか質問を受けた際、ある程度好戦的に返答することもできますが、今回は波風立てない段取りを取りました。言葉では言わないまでも、私はあなたの発言に不快感を覚えていますという態度を示すことも初手としては有効だと思います。日本人はよく、空気を感じ取るといわれますが、この能力は日本人に限ったものではありません。とても繊細に感じ取る外国人もたくさんいます。特に不特定多数を受け入れているホストマザーは良い一例です。
初回にとれる手段と、次回以降とるであろう手段はまた異なります。席を外すという選択肢も今後は入ってくるでしょう。思っているよりも時間泥棒はまわりに多くいますし、ましてや言語の壁がある場合に、ニコニコして座っている必要もありません。何かの会のホストの場合は失礼ですが、自分が中座できる状況であれば迷わず中座することをお勧めします。